TaskChuteみたいなこと

TaskChuteみたいなこと

はじめに

日々、仕事及びプライベートで、「TaskChute」みたいなことを、やっています。
TaskChuteとは、今日一日のタスク(したいこと・しないといけないこと)について、時間を意識しながら、組み立て・実行ができるツールです。Excel(for Windows)のマクロを使って作成されています。

最も簡単なのは、本家のTaskChuteを使う方法(Ver1 なら、無料で利用ができます!)ですが、他のツール上で、その考え方を活かしたタスク管理をすることも、可能です。他の市販ソフト/フリーソフト上で実現する, 自作ツールで実現する, Windows以外のプラットフォーム(mac, iOS, Android など)で、似たようなことを実現する などの例があるようです。また、他の概念(GTD : Getting Things Done など)との併用も、見かけるパターンです。

私のパターンは、「自作ツール上で、GTDの概念を併用」です。この度、1年半越しで自作ツールを刷新したので、これを機会に、現在のツールを開発し、使うに至るまでの道のりをまとめてみました。自作ツールにはTaskChuteの考え方を取り入れていますが、開発について、TaskChute作者・関係者が関わったものではありません。
道のりはどうでもよくって、TaskChute(およびGTD)の考えをどのようにツールに実装したか、に興味があるという方は、「実装イメージ」の項目あたりを見て下さい。
似たようなツールを作ることを考えている方がいましたら、ひとつの実装例として、参考にしていただければと思います。

ツールの遍歴

昔から、タスクの管理方法には、苦労していました。自分に合いそうな考え方を探してきては、実際に試してみて…ということを、やってきました。
初期の頃は、付箋紙アプリにタスクを並べてデスクトップに貼る、ということをしていました。やがて、タスクの登録や済んだアプリの削除をもっと簡単にやりたくて、「ToDoHandler」というWindowsアプリを作り始めました。

Excelだと、不便だったこと

2009年の後半頃、Excel上で本家TaskChute1 を使いながら、TaskChuteの考え方を研究しました。
考え方を体得していくと同時に、Excelだと何かと不便に感じることも。

• Excelは、自分が使う全てのPCには入っていない
• マクロが入っている他のExcelファイルを開くと、双方のマクロがうまく動かないことがあった。Excelのファイルを使うたびに、TaskChuteとの排他を気にするのも、スマートでない…
• 当時のプライベート用ノートPCが相当な非力で、そこそこ大きなソフト(Excelのこと)が常時起動していることに、ちょっと抵抗が…

ということで、当時使っていた自作のツール「ToDoHandler Ver2」に、TaskChuteの考えを取り込み・実装してみることにしてみました。
実装にあたり、TaskChute作者・関係者との関わりはありません。あくまでも、自分で実装したものとなります。

ToDoHandler で、実現したこと

どうせ作るなら、ということで、自分に必要な機能や、欲しい機能を盛り込んでいきました。

• TaskChuteの考え方と、GTDの考え方を、シームレスにつなぎたい
• 素早いタスク操作(登録/開始/終了/割り込み など)
• できるだけマウスレスで(ショートカットキー)
• タスクのリピート、できるだけ手をかけずに
• 「24時」以降の時間も扱えるようにしたい(「翌日の午前1時」ではなく、「当日の25時」を扱いたい)
• 済んだタスクや、できなかったタスクを元に、日報を作成したい
• 自分の作業見積もり精度って、どんなものなのか、知りたい
• 一日の割り込み作業って、どれぐらい発生しているものなのか、知りたい
• いつから取り組み始めたタスクか、分かるようにしたい(特にリピートタスク)

これらの機能を盛り込んで、「ToDoHandler Ver3」を作りました。当たり前ですが、自分にとってはかなり使いやすいものになりました。Ver3 の作成を機会に、プライベートでもTaskChuteの考え方を取り入れた過ごし方をすることが増えてきて、「手つかず案件」が少しずつ進むようになってきました。
やりたかったことの多くは、Ver3 で載せ込みができました。「ToDoHandler Ver4」では、開発環境やデータベースの変更による、高速化や安定性向上と、管理可能タスク数上限の撤廃が、大きな変更点です。他には、3年も使っていると、仕事・生活の変化や、新たに改善したいポイントが出てきたりしたので、それらへの追従です。

ToDoHandler での、タスク処理の進め方

TaskChuteとGTDの概念に従って、処理を進めていきます。
1日のタスクはTaskChuteの考え方で、それより先のタスクはGTDの考え方で管理します。
やりたいことの全てはGTDで管理して、そこから毎日1日分を、TaskChuteに小分けするようなイメージです。

実装イメージ

こんな感じで載せ込んでいます。

タスク管理

GTDのタスク割り振りを参考に、タブを用意。
[今日]のタブが、TaskChute相当。
GTDで言うinboxは、[今日]タブで兼ねています。必要なタスクが出てきたら、ひとまずその内容だけを入力。すると、[今日]タブ内リストの、上のほうに入ります。時間が取れたときに、実施時期などを入力すれば、[今日]タブを出て適切なタブに移動する、という仕組みです。

タスク入力

思いついたタスクをメモするときは、タスク内容さえ入れれば登録可能。「早く振り分けて!」と言わんばかりに、[今日]タブ内リストの、上の方に表示されるようになります。他の項目は、時間が取れたときに、必要に応じて入力します。主に、[実施時期]や[状態]の内容を使って、どのタブに表示するべきかを振り分けしています。
[リマインダ]を設定しておけば、実施日が近づいたときに[次へ]のタブで表示することも可能。他のヒトに依頼している案件について、進捗を確認したい時期を設定しておく、という用途にも使っています。

リピート設定

ここでリピート周期のルールを設定すれば、タスク終了操作時に、ここでの設定に従って、次回タスクを新規に起票します。

割り込み

割り込みが発生したときは、[割込]ボタン(もしくはショートカットキー)で、現在処理中タスクの中断ができます。
「中断操作するのを忘れてたよー!」ということもよくあるので、あとから、中断したおおよその時刻を登録することもできるようにしています。
中断操作後に続けて、割り込みタスクの入力画面が立ち上がります。

検索

簡易な検索を載せてみました。Ver4で、データベースの機能を使って実現しました。

日報

次のような内容を、テキストファイルに出力します。

• 処理できたタスク
• 処理できなかったタスク
• 次に取りかかるタスク
• 見積もり精度
• 割り込みの発生割合

やりたいこと(妄想?)・お悩み中のこと

• TaskChuteにある、今日から先の、一週間の作業時間を見る機能、載せたほうがいいかな…
• project管理って、どのように実装するのが使いやすいのか、難しい…
• 関連サイトへのハイパーリンクがあると、関連情報がすぐ見られて、いいなぁ
• メールとの連携したいなぁ。特に仕事だと、多くのタスクがメール経由でやってくる。
• データベースをクラウド上に置けると、複数のPCで管理できていいなぁ
• スマホなど、他のプラットフォームでも使えるようにできたら、出先でも便利そうだなぁ
• 日報をcsvに加工できたら、データの解析など、活用がしやすいなぁ
• タスクセットのインポート/エクスポートできたら、度々発生するタスクの設定が、楽になりそう。(旅行準備のタスクセット とか…)

自分で使う分には問題ない状態です。当面の更新は、使っていて不便に感じた部分や、見つけた不具合の手直し程度の予定です。今のところ、自由にダウンロードできるような形での頒布の予定はありません。

開発環境など

• 現在の開発環境は、Visual Studio C# 2010です。のんびりペースで開発している間に、Visual Studio 2013がリリースされちゃいました…　(Ver3までは、ActiveBasicで開発していました)
• データベースは、SQLiteを使用しています。ツールを使えばCSVに変換したりもできるので、データの集計なども可能。